数々のシリーズ絵本を手掛けている作家

シリーズ絵本を多く手掛けている作家をご紹介します。
作家は「川端 誠」さんで、1952年生まれ。
お化けシリーズ、十二支シリーズ、風来坊シリーズ、幼児絵本シリーズ、あいさつの絵本シリーズ等を次々と発表。
1994年から発表している古典落語をテーマにした『落語絵本シリーズ』は各方面で話題を呼び人気作品となる。
その『落語絵本シリーズ』の二作目にあたる作品をご紹介します。
世の中で一番怖いものは「まんじゅう」?【あらすじ】
作・絵:川端 誠
出版社:クレヨンハウス
ページ数、サイズ:24p、30.3×21.8㎝
<五つ星評価>
ストーリー:★★★★
絵・しかけ:★★★
教育・知育:★★★
笑い・感動:★★★
◇総合評価:★★★
暇をもてあました街の者が数名集まり、それぞれ嫌いなもの、怖いものを言いあっていく。
「クモ」「ヘビ」「アリ」などと言い合う中にひとり、「いい若い者がくだらないものを怖がるとは情けない。世の中に怖いものなどあるものか」とうそぶく男がいる。
他の男が「本当に怖いものはないのか」と聞くと、うそぶいていた男はしぶしぶ「本当はある」と白状する。
「では、何が嫌いなのか」と念を押され、男は小声で「まんじゅう」とつぶやく。
男はその後、「まんじゅうの話をしているだけで気分が悪くなった」と言い出し、逃げるように隣の部屋へ寝てしまう……。
残った男たちは「あいつは気に食わないから、まんじゅう攻めにして怖がらせてやろう」と、金を出し合い、まんじゅうを買いに町に出かけます……。

さっそく、みんなは、てわけして、おかしやをまわり、まんじゅうを、かいあつめてきました。
上用まんじゅう 唐まんじゅう うすかわまんじゅう 酒まんじゅう 温泉まんじゅう
そばまんじゅう 田舎まんじゅう ふまんじゅう かるかんまんじゅう 栗まんじゅう
よもぎまんじゅう あげまんじゅう あんまんじゅうに肉まんじゅう
紅白まんじゅう そうしきまんじゅう
これを、大きなおぼんに、山もりにしますと、
………。
「まんじゅうが怖いだなんて不思議な人もいたもんだ…」と思いきや…。
「落語」に関連する絵本として、こちらも多く読まれています。
【絵本】『落語絵本 たがや』落語はおもしろい<8歳~11歳児おすすめ絵本>
古典落語として有名な噺【感想・まとめ】
『まんじゅうこわい』は古典落語として広く知られた噺で、落語家の若手が鍛錬のために演じるいわゆる「前座噺」のひとつとされているそうです。
絵本の最後ページに、「川端 誠」さんのあとがきが書かれてます。
落語というものは、うまい噺家さんのてにかかりますと、何度同じ噺を聞いても面白いもので、ストーリーはもちろん、オチもしっかりバレていてもくり返し聞くことができる……というよりも聞けば聞くほど面白いものでして、これはといいますと、落語というものは、ストーリーを楽しみつつ、噺の「間(ま)」や「呼吸」というものを楽しむものだからなんですね。
………。
そうなんですよね~!同じ落語でも、噺家で面白さも変わってくるのは、噺の「間(ま)」や「呼吸」の使い方が上手なんでしょうね。
川端誠さんの「あとがき」も共感できて面白いので、読み聞かせをする親御様は、ぜひ読んでみてくださいね♪
絵本選びの参考にしていただければ幸いです。
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