お侍さんがいた時代の歴史を楽しく学べる絵本

この絵本のタイトルにもある「江戸」とは、江戸時代を表しているのですが、その江戸時代が何年続いたかご存じでしょうか?
江戸時代の期間は、
『1603年に徳川家康が征夷大将軍に任命されて江戸(現在の東京)に幕府を樹立してから、1863年の「明治」に改元されるまでの265年間に続いた時代』
だそうです。265年…徳川家は凄かったのね…。もっとも長く平和が続いた時代です。
この絵本は、そんな平和が続いた江戸の情緒あふれる商店街を、美しい絵で表現されております。
お子様と一緒に、絵本を開いて、江戸の街並みへ、タイムスリップしてみましょう。
一目でわかる「七味唐辛子売り」【あらすじ】
作・絵:藤川 智子
出版社:ほるぷ出版
サイズ:28×21.5㎝
<五つ星評価>
ストーリー:★★★★
絵・しかけ:★★★★
教育・知育:★★★★
笑い・感動:★★★★
◇総合評価:★★★★
いらっしゃいませ。
お客様、何をお探しでしょうか?
あ~…。そのお店なら、三軒隣りのお店に売ってますよ!。。
江戸時代の大通りには、商店が立ち並んで、とても賑やかです。
さてさて、他のお店も、ちょっと覗いてみましょうかね…。
絵本ナビ
ここは…、『地本問屋』?!今でいうと、<本屋>さんみたいですね。
人気作家の長編小説や、さし絵の多い読み物のほか、歌舞伎役者がモデルの版画、古本なども扱います。

『地本問屋』は、現在の出版社と本屋が一つになったもので、作家に本を書いてもらい、職人に作らせて、お店で売っていました。江戸時代、読書はたいへん人気がありました。
<本の種類>
・読本のベストセラー … 読本は江戸時代の長編小説。滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」や十返舎一九の「東海道中膝栗毛」などに人気があった。
・絵草紙 … 現代の絵本やマンガにような、ページ数の少ない、さし絵中心の本。
・にしき絵 … 浮世絵ともいわれ、葛飾北斎や喜多川歌麿、東洲斎写楽など人気の絵師がいた美人画や、役者絵、風景画などを色ずりの木版画にしたもの。

『ぼてふり(行商人)』
行商人には、食べ物や道具、おもちゃなどを売るほか、古いものを買い取ったり、修理したり、という仕事をする人もいました。、また、金魚や鈴虫、門松など、季節にあったものだけを売りに来る人もいました。
油売り … 内側に銅をはった黒ぬりのおけに油を入れ、「えー油、えーあぶらァ」と声をかけながら得意先をまわります。あかり用の種油や魚油、食用のごま油、髪につけるつばき油など、いろいろな種類の油を、必要なぶんだけはかって売っていました。
ちょうちょう売り … 細くけずった竹の先に紙のちょうちょうをはりつけたものをくだに入れ、くだを下に向けるとちょうちょうが飛び出すしくみのおもちゃを売っていました。八折れあみ笠をかぶっています。
はまぐり売り … 江戸では貝類がよく食べられ、からつきのはまぐりのほか、あさりやしじみ、ばか貝なども売られていました。毎日きまった時間に売りにくるので、おかみさんたちが待っていて、みそ汁の具にしたり、につけておかずにしました。
唐人飴売り … 唐人笠に唐人服という姿で唐人笛を吹いて子供を集め、飴が売れるとおかしなおどりをおどって見せていました。売っていた飴はふつうの飴なので、変わった姿で人目をひこうとする飴売りがたくさんいました。
七味とうがらし売り … とうがらしの形をした大きなはりこをかつぎ、はりこのなかに商品を入れて売り歩いていました。「七味」とは、粉とうがらし、焼きとうがらし、さんしょう、ごま、あさの実、ちんぴ、けし、の7種類です。
とうふ売り … 江戸時代、とうふは歯の悪い人に人気の食べ物でした。油あげやがんもどきなども箱に入れて、いっしょに売り歩きました。酒やしょうゆでにておかずにしたり、みそ汁の具にしたり、焼いて酒のつまみにしたり、といろいろな食べ方が工夫されました。
「七味とうがらし売り」には、笑っちゃいました!
江戸時代の行商人は、色々な趣向を凝らして、売り歩いていたのですね。
「大人におすすめする絵本」として、こちらも多く読まれています。
【絵本】『えんにち奇想天外』絵本の四字熟語を覚えるのに“四苦八苦”<5歳~7歳児おすすめ絵本>
お子様と一緒に絵本を持って博物館めぐり【感想・まとめ】
この絵本を読むと、なんだか日本の歴史をもっと知りたくなります。
絵本の最後ページに、概要説明の記載がありまして、
「おもに、江戸時代後期の江戸・京都・大阪の商店を参考に、架空の町の、架空のお店として描いたものです。商品の売り方には、地域差があり、街並みも地域によって違いがありました。」
とのことです。
地域差については、ぜひお子様と一緒に、歴史博物館などで調べてみてはいかがでしょうか。
この絵本をきっかけに、日本歴史の旅へお出かけするのも良いかもしれませんね♪
お子様だけでなく、親御様にも読んでほしい一冊です。
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