【絵本】『怪物があらわれた夜「フランケンシュタイン」が生まれるまで』作家メアリー・シェリーを描いた絵本<10歳~12歳児おすすめ絵本>

妖怪、おばけ

SF(サイエンス・フィクション)の先駆者

みなさんは「フランケンシュタイン」という怪物が出てくるホラー話はご存じでしょうか?
死んだ人間を科学者によって誕生させる「人造人間」のお話です。
このお話は、単にホラー話、恐怖怪談という枠ではなく、科学を盛り込んだ作品、SF(サイエンス・フィクション)による最初の小説だと言われております。
そして、その小説を手掛けた作家は、メアリー・シェリー(メアリー・ウルストンクラフト・ゴドウィン・シェリー)という女性作家です。

その女性作家を題材にした絵本をご紹介いたします。

別荘での怪奇談義がきっかけ【あらすじ】

タイトル:怪物があらわれた夜「フランケンシュタイン」が生まれるまで
文:リン・フルトン
絵:フェリシタ・サラ
訳:さくま ゆみこ
出版社:光村教育図書
絵本ナビ

<五つ星評価>
ストーリー:★★★
絵・しかけ:★★★
教育・知育:★★★★
笑い・感動:★★
◇総合評価:★★★


<出版社:光村教育図書からの内容紹介>

今から200年前、男性中心の社会や科学万能主義の風潮に疑問を抱く一人の女性がいた。
やがて彼女は現代まで読み継がれる一冊の本を世に送り出す。
『フランケンシュタイン』誕生の知られざる背景を描くノンフィクション絵本。


余談ですが、物語の中で描かれている別荘での集まるお話は、有名なお話で、「ディオダティ荘の怪奇談義」と呼ばれております。
※ディオダティ館の幽霊会議、ディオダティ館の夜などとも呼ばれている。
この話の内容は、
<1816年、スイスのレマン湖畔に詩人バイロン卿が借りていた別荘で5人の男女が集まり、それぞれが創作した怪奇話を披露しあった出来事。>
となっております。
※バイロン卿は、『吸血鬼』を創作した詩人。また有名なことわざ、「事実は小説よりも奇なり(Truth/Fact is stranger than fiction.)」を残した偉人。

『フランケンシュタイン』や『吸血鬼』は、このときの着想を元に生まれたそうです。

「モンスター」に関連する絵本として、こちらも多く読まれています。
【絵本】『とうめいにんげんのしょくじ』体内の物質だけが見える?<5歳~7歳児おすすめ絵本>

時代背景を感じる絵本【感想・まとめ】

18世紀末から19世紀初頭にかけて、神秘的、幻想的な小説が、とても流行していたそうです。
ゴシック・ロマンスとも呼ばれ、その後ホラーなどのジャンルも含むことがあり、「フランケンシュタイン」や「吸血鬼(ドラキュラ)」の物語が大人気となり、今日のSF小説やホラー小説の源流になったわけです。

挿絵が、暗いイメージで描かれ、怪談話を思わせる雰囲気があるのですが、メアリー・シェリーという作家のノンフィクション物語なので、当然ながら、怖い話ではないです(笑)
正直な感想を言うと、お子様に感動を与えるような絵本ではなく、偉人の伝記物語みたいなようなものかな…。
著名な絵本作家を、分かりやすく知る方法として、絵本を読んではいかがでしょうか。

絵本選びの参考にしていただければ幸いです。

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