スーザン・バーレイの絵が魅力的な絵本

この絵本の著者をご紹介します。
文の作者は「ジョニー・ウィルス」さんで、絵の作者の「スーザン・バーレイ」さんとのコンビ作品では、4冊目の絵本となっております。
いっぽうの「スーザン・バーレイ」さんは、作・絵すべてを初めて手掛けた絵本「わすれられないおくりもの」の作者で、イギリスで最も優秀な新人作家に贈られるマザーグース賞を受賞し、日本でもミリオンセラーの絵本となりました。
訳者は「今江祥智」さんで、翻訳だけでなく、創作にも取り組んでおります。
主な訳書に、「すてきな三にんぐみ」や「ぼちぼちいこか」などがあります。
スーザン・バーレイさんの愛らしい絵と、リズミカルな訳文が楽しい、おすすめの絵本をご紹介します。
ベッドで寝るのが怖いモンスター【あらすじ】
文:ジョニー・ウィルス
絵:スーザン・バーレイ
訳:いまえ よしとも
ページ数、サイズ:24p、23.5×20.4㎝
<五つ星評価>
ストーリー:★★★
絵・しかけ:★★★★★
教育・知育:★★★
笑い・感動:★★★★
◇総合評価:★★★★
ある村に、「枯れ木の森」と呼ばれる森があります。
森には、おばけやモンスターが出るという噂が広まっていたので、村の人たちは誰も近づきませんでした。
そして、その森の奥に住んでいるモンスターの親子がいます。
モンスターの息子の名前は「デニス」。
いつもは、ママの言うことをちゃんと聞くデニスですが、寝るときだけは別。
ママが、ベッドに寝かそうとしても、なかなかママから離れようとしません。
「こわいんだよ。人間がベッドの下に隠れていて、僕を捕まえるんだ!」
ママは、「人間なんていないよ。」と息子のデニスを優しく寝かしつけます…。
その一方で、森に迷い込んだ男の子が、デニスのいる住処に近づいてきます………。
怖がりモンスターのデニスと、迷い込んだ男の子はどうなっちゃうのかな…?
「スーザン・バーレイ」に関連する絵本として、こちらも多く読まれています。
【絵本】『アナグマさんはごきげんななめ』相手の気持ちを汲み取る優しさ<4歳~6歳児読み聞かせ絵本>
訳者からの一言…『福翁自伝』の一節を思いおこす【感想・まとめ】
絵本の最後ページに、訳者である今江祥智さんからの一言が書かれています。
この絵本を読んだとき、まず思いおこしたのは、『福翁自伝』の一節でした。※『福翁自伝』とは、福沢諭吉の自叙伝のこと。
刺客に狙われていると思い込んだ福沢諭吉が、歩く向きを返して逃げ出そうとすると、相手も同じ気持ちだったらしく、向きを変えて逃げ出した……という逸話。
………。
このおかしな絵本の発想は、誰もの内に潜んでいる”こわがりやさん”をみごとにとらえて秀逸であります。
………。
今江祥智
”こわがりやさん”をストーリーに盛り込んだ、コミカルで笑えるオチなので、お子様の寝る前に、読み聞かせするとよい絵本だと思います。
絵本選びの参考にしていただければ幸いです。
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