エリック・カールの才能を見い出した人

ご紹介する絵本『フレデリック』は、オランダ出身のアメリカの絵本作家レオ・レオニ作の絵本です。
レオ・レオニさんは、あの『はらぺこあおむし』の絵本作家で有名な「エリック・カール」さんの才能を見い出し、絵本の仕事を勧めた人でもあります。
ちなみに、「オドループ」や「スパークルダンサー」というヒット曲を歌う人気ロックバンド『フレデリック』も、この絵本からバンド名をつけたそうです。
「冬眠中、食料が尽きた時、言葉で皆の心を満たしたフレデリックのように、音楽で皆の心を満たせる存在になりたい」という願いが込められているそうです。
レオ・レオニさんの大人気の絵本をご紹介します。
何もしないフレデリック…?【あらすじ】
作:レオ・レオニ
訳:谷川 俊太郎
出版社:好学社
ページ数、サイズ:29p、28×23㎝
<五つ星評価>
ストーリー:★★★★
絵・しかけ:★★★★
教育・知育:★★★
笑い・感動:★★★★
◇総合評価:★★★★
野ネズミたちは、冬ごもりのために、せっせと木の実や小麦のわらを巣の中に運ぶ作業をしています。
でも、フレデリックだけ何もせず、ただボーッとしています。
「フレデリック、どうして君は働かないの?」
「こう見えたって、働いてるよ。」
「寒くて暗い冬の日のために、ぼくはお日様の光を集めているんだ。」
………。
やがて冬がやってきて、蓄えてた食べ物も減り、体は凍え、おしゃべりをする気にもならない。
すると、フレデリックがみんなに話しかける。
「目をつむってごらん。」
彼はみんなに、話しかけた……。

「いろは? フレデリック。」
まちきれなく なって、みんなは せがんだ。
「もう いちど、めを つむって。」
そして フレデリックが、あおい あさがおや、
きいろい むぎの なかの あかい けしや、
のいちごの みどりの はっぱの
ことを はなしだすと、みんなは、
こころの なかに、ぬりえでも
したように はっきりと
いろんな いろを
みるのだった。
………。
「ネズミ」に関連する絵本として、こちらも多く読まれています。
【絵本】『ぐりとぐらのかいすいよく』初めての泳ぎ<3歳~5歳児読み聞かせ絵本>
原作を損なわない翻訳【感想・まとめ】
レオ・レオニさんの絵本の翻訳には、「谷川俊一郎」さんが手掛けております。
その谷川俊一郎さんのレオ・レオニへの思いが、絵本の付箋枠に書かれております。
レオ=レオニとの出会い
………。
翻訳にあたっては、原本の持つ視覚的な美しさを損なわぬことを、まず第一に心がけました。
文章のレイアウトを、できるだけ原本どおりにするために、その内容の一部を省略せざるを得ない場合もありましたが、これは俳句的な凝縮された表現を好む日本人には、かえってふさわしいと考えています。
谷川 俊太郎
谷川さんの翻訳が、この絵本の魅力を映し出せたような気がします。
絵本選びの参考にしていただければ幸いです。
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