【絵本】『オスカルとはらぺこドラゴン』機転を利かせて生き残る<5歳~7歳児おすすめ絵本>

妖怪、おばけ

世界の絵本をご紹介【ドイツ作家】

海外で活躍している絵本作家をご紹介します。
《出版社:ワールドライブラリー》

<作・絵/ウテ・クラウゼ>
1960年ベルリン生まれ。
トルコ、ナイジェリア、インド、アメリカなどで育つ。
ベルリンでビジュアルコミュニケーションを、ミュンヘンで映画とテレビドラマを学ぶ。
作家、イラストレーター、脚本家、映画監督として活躍中。
絵本、児童書の著作多数、多くの言語に翻訳され、アニメとなってテレビ映画化されているものもある。
ブックアート財団から表彰されたほか、ドイツ児童文学賞にもノミネートされた。

<訳/さとう よしこ>
上智大学文学部ドイツ文学科卒。
やまねこ翻訳クラブ所属。
訳書に『トゥルーリのアメリカりょこう』(ワールドライブラリー)、『世界の名画を読み解く』(あかね書房)。

おまえをたっぷり太らせるには何がいる?【あらすじ】

タイトル:オスカルとはらぺこドラゴン
作・絵:ウテ・クラウゼ
訳:さとう よしこ
出版社:(株)ワールドライブラリー
ページ数、サイズ:31p、25.2×27.9㎝
世界の絵本が毎月届く【ワールドライブラリーパーソナル】

<五つ星評価>
ストーリー:★★★★★
絵・しかけ:★★★★
教育・知育:★★★★
笑い・感動:★★★★★
◇総合評価:★★★★★


長く深い眠りから、ドラゴンが目を覚ましました。
ドラゴンは、はらぺこ、とびきりはらぺこです。
困った村人たちは、ドラゴンのもとへ、小さな男の子オスカルを送り込みました。
ドラゴンにとって男の子など、おやつにもならないというのに。

ところがオスカルは料理上手、すばらしいごちそうを次々作ってドラゴンに食べさせます…

世界の絵本で特別な思い出【ワールドライブラリーパーソナル】

しばらくすると、突然目の前に、
ハアハアといきをあらくしたドラゴンが立っていました。
とたんにオスカルは、気分がわるくなりました。
というのも、長いことなにも
食べていなかったせいで、ドラゴンのいきは、
とてもくさかったのです。

「こんなちっこいの、
どうしろっていうんだ!
おやつにもならんぞ!」
ドラゴンは、たいそうおこってどなりました。

オスカルは、はなをつまみました。
いまさら、にげることはできません。
でも、すこしばかり時間をかせぐことなら、できるはず。
オスカルはいいました。
「もしぼくがきみなら、ぼくをまず、
太らせるとおもうな。そしたら、
すぐに食べるより、りょうがふえるもの」

「わるくないかんがえだ」ドラゴンがいいました。
口がくさいので、オスカルはまた、
いきをとめなければなりませんでした。

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つぎの朝、オスカルがかいものリストをわたすと、ドラゴンがぼそぼそといいました。
「どうせりょうりをするなら、もうちょっとたくさんつくったらどうだ」
この日、オスカルは、さらにごうかなりょうりをつくりました。
アスパラガスのクリームスープ。新じゃがいもをそえた、やわらかい白身魚のソテー。
デザートは、オレンジアイスクリームとベリーのクレープ、チョコレートソースがとろりとかかっています。
ドラゴンは、オスカルのりょうりがあんまりすばらしいので、びっくりしました。
けれどもちろん、そんなかおはしませんでした。していないつもりでいました。
でも、それからというもの、オスカルはドラゴンのごはんもつくるようになりました。


ときどき風にのって、りょうりのにおいが、下の村までとどきました。
村人たちは、はなをくんくんさせて、首をひねりました。
「すごーくおいしそうなにおいだね。いったいだれがつくってるんだろう?」
「オスカルよ!」とオスカルのママがいいました。自分がつくるもののことは、よくわかっていますからね。
こんなにいいにおいがするのは、ママかオスカルのりょうりだけです。

………。


お料理上手なオスカル。このままドラゴンに食べられずにすむかな……。

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【絵本】『モンスター・ストーム~あらしがきたぞ!~』怪獣デニスのお話<3歳~5歳児読み聞かせ絵本>

空腹時の息が臭いは本当⁉【感想・まとめ】

お話の中に書かれている「ドラゴンが空腹で息が臭い」は医学的にも本当の事なんですよね。
起床直後はとくに口臭が強まるそうです。
それを作者が知っていて、物語に取り込んだのかもしれませんね。
機転を利かしたお話というのは、日本でも昔話なので描かれていて面白いですよね。
子どもの知育にも良い絵本かと思います。

絵本選びの参考にしていただければ幸いです。

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