【絵本】『へっちゃら君』子どもの心理臨床<3歳~5歳児おすすめ絵本>

保育

悩みを抱えている子供たちへ伝える絵本

この絵本の作者についてご紹介いたします。
著者、マーゴット・サンダーランドさんは、イギリスの児童治療カウンセラー、心理療法家で、児童心理療法の修士課程を有す教育大学の学校長を務めていた方だそうです。
困っている子供、問題を抱えた子供たちのために、セラピーやカウンセリングなどの活動を、率先して行っていたそうです。
そして、独特の絵で、子どもの感情を表している絵の担当、ニッキー・アームストロングさんは、イギリスの美術大学で修士号を取得。ロンドンの美術学校で講師を務める。
壁画に絵画、イラストレーションと作品の幅は広く、国内外で数多くの仕事を手掛けている方です。

英国作家による子供の心理臨床を題材にした絵本をご紹介します。

怒りや悲しみを隠してしまうと…【あらすじ】

タイトル:へっちゃら君
著:マーゴット・サンダーランド
絵:ニッキー・アームストロング
訳:森 さち子

出版社:誠信書房
サイズ:26.3×18.7㎝
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<五つ星評価>
ストーリー:★★★
絵・しかけ:★★★
教育・知育:★★★★
笑い・感動:★★★
◇総合評価:★★★


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 ある日、へっちゃら君は、お気にいりのブランコにのろうと、
わくわくしながら公園をあるいていました。

 でも、おれさまテッドが
ブランコにのっていました。

 「のせてやらないぞ!」と、
テッドはあかんべーをしました。
「おれさまは、ずーっと、ずーっと、
このブランコからおりないからな」

 「へっちゃらへっちゃら」というと、へっちゃら君は
ブランコにのれなくてかなしいきもちを、
半ズボンのなかにしまいこみました。

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 ふたりがおかしパンのお店に
着いて、いちごがどっさりのった
ドーナツを口にしようとした、
ちょうどそのときです。

 すぐそばにいた、ごっつんボットがへっちゃら君のかみのけに、
ブチュッとジャムをくっつけました。

 「へっちゃらへっちゃら」へっちゃら君はそういうと、口いっぱい、
ドーナツをほおばって、ムカッとしたきもちを、のみこもうとしました。
 のみこんだまではいいけれど、そのせいで、へっちゃら君は、
ほんとにひどく、おなかがいたくなってしまいました。

……。


へっちゃら君は、本当にへっちゃら?
我慢してるようで、なんか心配だね……。

教育者にも読んでほしい絵本【感想・まとめ】

子どもの悩みというのは、本人だけでは、解決できないことがたくさんあります。
その悩みを一番聞いて解決してあげれるのは親御さんです。
しかし、親御さんだけでは、解決できない場合もあります。
それは、子供たちが、一日の中で長く生活する場所、保育園や学校での出来事です。

子供の悩みというのは、大抵は、友達関係などで発生する問題に悩んでいるのですから、教育現場を見ている保育園や学校の先生方が、子どもの心理を理解しなければ、子どもが悩んでいても、問題解決に導くことは、到底無理でしょう。
保育園や学校で起きた問題を、家でお子さんから悩みを打ち明けられても、親御さんは、保育園や学校に相談するのですから…。

教育現場で働く皆様には、この絵本を子どもたちに読み聞かせをして、「悩みがあるなら、我慢せずに、先生やお父さん、お母さんに相談するんだよ。」と優しく声掛けするだけでも、本当に悩みのあるお子様には、大分気持ちが楽になり、良い方向へ進めると思います。

お子様だけでなく、教育に携わる方々にも読んでほしい絵本です。

絵本選びの参考にしていただければ幸いです。


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