若くして生涯を終えた絵本作家「新美南吉」

みなさんは、この絵本の作者「新美 南吉」さんをご存じでしょうか。
私は、この絵本から、有名な作家だということを知りました。
この方は、愛知県出身で、童話や童謡などを載せた雑誌『赤い鳥』出身の作家です。
彼の代表作『ごん狐』は、彼が18歳の時に書かれた作品で、この雑誌から初掲載されたものだそうです。
残念なことに、この若き作家は、結核という病気で、若干29歳で亡くなりました。
そんな彼の作家としての才能を惜しむ声がたくさんあり、彼が生まれた町、愛知県半田市には、「新美南吉記念館」もあります。
2023年で、新美南吉さんは生誕110年を迎えます。
その作家の一作品をご紹介いたします。
黄色と緑色のカエルの争い【あらすじ】
作:新美 南吉
絵:鈴木 靖将
出版社:新樹社
ページ数、サイズ:24p、30.2×23.2㎝
<五つ星評価>
ストーリー:★★★
絵・しかけ:★★★
教育・知育:★★★
笑い・感動:★★★
◇総合評価:★★★
畑で出会った緑色と黄色の2匹のカエルは、色の違いからケンカが始まりました。
しかし、ケンカの最中に冬の訪れを告げる寒い風が吹いてきました。
決着がつかずに2匹はあわてて冬眠に入ります。
やがて春が訪れ、2匹はケンカを続けるため近くの池へ向かいますが………。
長い冬眠から目覚めた二匹のカエルに心境の変化が………?
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穏やかな調和の世界へ【感想・まとめ】
絵本の最後ページに、長年、新美南吉の作品を研究・編集者として携わってきた「保坂重政」さんのメッセージが書かれています。
穏やかな調和の世界へ
新美南吉の幼年童話には、生あるものすべてに、悲しみに満ちた優しい眼差しがそそがれています。そして小さな争いや、ちょっとした行き違いも、ついには、穏やかな調和の世界へと導かれていくのです。これは、南吉が創作活動の中で終生追い求めたテーマでもあります。
………。
保坂重政
争い(=悲しみ)が、和解(=愛)に変わっていくことの大切さを、子供たちに語りかけている作品です。
絵本選びの参考にしていただければ幸いです。
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