【絵本】『とんでいったふうせんは』「認知症」の祖父に対する家族の思い<5歳~7歳児読み聞かせ絵本>

心理

全米で2つの賞を受賞した作品

この絵本の作者をご紹介します。
文の作者は、「ジェシー・オリベロス」さんで、アメリカ・カンザス州生まれの絵本作家、児童文学作家。
ユタ州で大学生活を送り、循環器系の看護師としてのキャリアのあと、作家活動をスタート。
現在はテキサス州で夫と4人の子供たちと暮らす。
子ども時代の思い出の風船は、ひまわり色。
竜巻を追いかけ、森を駆け抜け、おじいちゃんと釣りをした幸せの記憶がつまっている。
祖父のアルツハイマー病発症をきっかけに、人生に試練はあるけれど希望に満ちていることを子どもたちに伝えたいと、この物語を書いた。
デビュー作のこの絵本で2019年ゴールデン・カイト賞(全米児童書作家・画家協会)受賞、同シュナイダー・ファミリーブック賞(米国図書館協会)受賞。
絵の作者は、「ダナ・ウルエコッテ」さんで、アニメーター、イラストレーター、絵本作家。
韓国で生まれ、アメリカ・ニュージャージー州で育った。
本作品で2019年シュナイダー・ファミリーブック賞受賞。

アメリカで高い評価を得た絵本をご紹介します。

家族の絆の物語【あらすじ】

タイトル:とんでいったふうせんは
作:ジェシー・オリベロス
絵:ダナ・ウルエコッテ
訳:落合 恵子
出版社:絵本塾出版
ページ数、サイズ:40p、28.6×23.8㎝

※2019年ゴールデン・カイト賞(全米児童書作家・画家協会)受賞
※2019年シュナイダー・ファミリーブック賞(米国図書館協会)受賞
絵本ナビ

<五つ星評価>
ストーリー:★★★★
絵・しかけ:★★★
教育・知育:★★★★
笑い・感動:★★★
◇総合評価:★★★★


<出版社:絵本塾出版からの内容紹介>

おじいちゃんは、思い出というふうせんをたくさん持っている。
ぼくは、そんなおじいちゃんのふうせんの話を聞くのが大好きだった。
でもある日、ふうせんが手をはなれてとんでいったのに、おじいちゃんはまったく気がつかない。
ついに、ぼくとの思い出のふうせんも…。


著者が祖父のアルツハイマー病発症をきっかけに、人生に試練はあるけれど希望に満ちていることを子どもたちに伝えたいと書いた物語。

「海外の作家」に関連する絵本として、こちらも多く読まれています。
【絵本】『おばあちゃんと花のてぶくろ』大切な人から、大切な人へ……<4歳~6歳児読み聞かせ絵本>

「認知症」への理解【感想・まとめ】

この絵本の最後ページに、翻訳者である落合恵子さんからのあとがきが書かれています。

もっと早くであっていたら

はじめてこの絵本を手にしたとき、わたしは思いました。「『ぼく』はあの日のわたしだ」と。私の母もまた、本の中の「おじいちゃん」のように、おもいでがつまった風船をつぎつぎと飛ばしてしまったひとりでした。「認知症」とよばれる症状です。はじめて母に「おかあさん」と呼びかけられたときの衝撃と動揺は、予想していたとはいえ、忘れることはできません。本の中の男の子には、その予想も、心の中での予習もないまま、そのときが訪れました……。

この絵本を、男の子とおなじような体験をしている子ども(大人にも)や、これからするであろう子ども(大人にも)に贈ります。人生でたぶん最も深く母とつきあっていたあの日々に、この絵本にであいたかったという思いをこめて。

落合恵子

認知症の理解や、接するときの心構えとして、ぜひ一度、お子様と一緒に読んでほしい絵本かと思います。

絵本選びの参考にしていただければ幸いです。

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