命ある小さなものや大自然のいとなみを、わくわくするストーリーで描く

この絵本は、絵本好きな人で、知らない人はいない『エリック・カール』さんの作品です。
あざやかな色彩と楽しいアイデアで作る作品は、世界で大人気ですよね。
エリック・カールさんの代表作といえば、『はらぺこあおむし』かと思うのですが、その絵本の編集者である『アン・ベネデュース』さんは、エリック・カールさんの作品をこう感じたそうです。
「カールの絵本のテーマは、希望・勇気・友情・公平さ、そして愛です。」
――アン・ベネデュース――
絵本というのは、子どもの感情を育てる教材のようなものですので、テーマは重要な事ですよね。
今回、ご紹介する絵本は、そのテーマの中で、とくに『希望』と『勇気』を意識した作品となっております。
小さいタネの大冒険【あらすじ】
作・絵:エリック・カール
訳:ゆあさ ふみえ
出版社:偕成社
サイズ:30×21㎝
<五つ星評価>
ストーリー:★★★
絵・しかけ:★★★
教育・知育:★★★
笑い・感動:★★★
◇総合評価:★★★
秋、風に乗って、おおぜいの仲間といっしょに、旅に出た小さいタネ。
旅の途中には、暑い太陽の日差し、一年中溶けない氷の山、見渡す限りの広い海、砂漠の熱い台地など、さまざまな危険が待ちうけています。
旅が進むにつれ、仲間たちの中には、危険にのまれ、力尽きてしまい、どんどん減っていきます。
でも、小さいタネは、それでも頑張って、風に乗って飛んでいきます。

風が やみました。とんできたタネたちは、いっせいに 地面に おちました。
これで ひとあんしん。と、おもったら そこへ ことりがやってきて、なかまがひとつぶ たべられてしまいました。
でも ちいさいタネは だいじょうぶ。あんまり ちいさいから ことりに みつからずに すんだのです。……
小さいタネは、無事に旅を終えて、芽を出し、花を咲かせることができるでしょうか?
「過酷な人生の厳しさ」を伝える絵本?【感想・まとめ】
うーん…。この絵本は、読む人によって、とらえ方が様々な感じだと思います。
たしかに、『希望』や『勇気』を伝えるような物語だと思えるのですが…。
「たくさんいるタネの中で選ばれるのは、ごく一粒のタネだけなんです。」なんていうストレートな解釈をしてしまう子もいるのかなと…。
人間の世界で例えると、「君たちの中で、大人として社会に生き残れるのは、頭脳明晰、スポーツ万能、容姿端麗に育つ子供なのだ‼」という教えにもとらえてしまうでは…。※極端な解釈ですが…。
みんな同じ「タネ」で、みんな同じように頑張っているのに「芽」が出ないなんて悲しすぎる!
だから、みんなが幸せに「芽」を出してくれる方がいいかな。
まあ、「植物のタネ」という自然界の観点からすると、それが当たり前のことなんですけどね。
あ。何となく「世界にひとつだけの花」という曲を思い出しました~。
良い曲ですよね~♪
絵本を読んだ子供たちが、一人一人の色々な感じ方を持つというのも、また良いことなのでしょうね。
エリック・カールさんの絵本が好きな方に、おすすめの絵本です。
「エリックカールの絵本」として、こちらも多く読まれています。
【絵本】『ね、ぼくのともだちになって!』子供が夢中になる魔法の絵<1歳~3歳児おすすめ絵本>
コメント