文の著者はサンドガードさん?エリック・カールではない謎?

絵本界において、エリック・カールさんは、超有名人だと思いますが、この絵本を手に取った時、「あれ?」と思ったのです。
絵本の著者名に「絵:エリック・カール、文:サンドガード」と名前が…?
「…サンドガード?えっ?エリックじゃあないんだ…?」
気になったので、エリック・カールさんについて調べてみると、もともとは、挿絵のみのデザイナー担当だったみたいです。
後になって、「はらぺこあおむし」という自作自画絵本を発表することになったようですね。
文の作者は、アーノルド・サンドガードさんで、1909年アメリカ生まれの劇作家・オペラ作者として数々の賞に輝く第一人者だそうです。
そんな、お二方の作者で完成した絵本をご紹介いたします。
「渡り鳥」ではなく「渡り蝶」?!【あらすじ】
絵:エリック・カール
文:サンドガード
訳:くどう なおこ
出版社:偕成社
サイズ:29×22㎝
<五つ星評価>
ストーリー:★★★
絵・しかけ:★★★
教育・知育:★★★
笑い・感動:★★★
◇総合評価:★★★
広い牧場の中で、子羊と蝶々が出会いました。
子羊は、蝶々が珍しくて、色々と蝶々に質問します。
「君のお母さんは?お家はどこ?どこで寝るの?」などなど…。
蝶々も質問に答えながら、どんどん飛んでいきます。

ひら ひら ひら
ぱったた ぱたた
ちょうちょは とんで、
けしの はなに とまりました
とっとこ とこ とこ
ひつじは ちょうちょに ついていき、
「なんで ぱたぱたするの?」と ききました
「なんで ぱたぱたしちゃ いけない?」
ちょうちょは いいかえしました
「ええとね、ひつじは ぱたぱたしないもん
わたしたち みんなの あとに くっついて、
いちれつに なって あるくのよ」
ちょうちょは ひつじに いいました
「ぼくは だれの あとにも ついていかない
いきたいところに いくのさ
いまだって この まきばから
そろそろ とびたつとこなんだ」
「エリックカールの絵本」として、こちらも多く読まれています。
【絵本】『ちいさいタネ』困難を乗り越えて成長する生命<4歳~6歳児おすすめ絵本>
子羊は、まだまだ蝶々にたくさん聞きたいことがあるみたい。
だけど、蝶々は、どこかに飛んで行っちゃうみたいだけど…。
子羊と蝶々との、ユーモア溢れた会話で描いた絵本となっています。
生き物の生態から生まれた作品【感想・まとめ】
この絵本の最後のページにある概要を読むと、おもしろいことが分かりました。
なんと、北アメリカに生息する「オオカバマダラ」という蝶々は、渡り鳥のように、メキシコやヨーロッパなどの遠くへ移動するとの事。
文の作者、サンドガードさんも、長年、その渡り蝶に疑問をもっていたらしく、この絵本の主人公のような子羊が生まれたきっかけになったそうです。
エリック・カールさんの作品も、生き物の生態に関する絵本が数多くあるので、作家のサンドガードさんの影響もあったのかもしれませんね。
文章が多いので、5歳児以上におすすめ絵本だと思います。
絵本を選ぶ参考にしていただければ幸いです。
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