【絵本】『おばあさんの馬』寂聴おはなし絵本<6歳~8歳児おすすめ絵本> 

童話、童謡、民話

テレビでも大人気だった瀬戸内寂聴さんが書いた絵本

瀬戸内寂聴さんは、テレビでも大人気の小説家でしたね。
また、尼僧でもありましたよね。
このお話は、尼僧でもある寂聴さんが、仏教に携わることで聞いた、インドのジャータカという釈迦が誕生する前、人や動物として生きていた前世の物語集の一つだそうです。
このお話の登場人物が、みんな良い人ばかりなので、寂聴さんも、お気に入りだったみたいです。

良い人ばかりの物語を、ご紹介いたします。

ディープインパクトより早い馬…?!【あらすじ】

タイトル:おばあさんの馬
文:瀬戸内 寂聴
絵:古林 豊

出版社:講談社
サイズ:24×18.8㎝
絵本ナビ

<五つ星評価>
ストーリー:★★★★
絵・しかけ:★★★★
教育・知育:★★★★
笑い・感動:★★★
◇総合評価:★★★★


昔々、インドの町に、おばあさんが一人住んでいました。
おばあさんが若い時、夫や息子がいて、家族でしていた商売も繁盛してお金持ちでした。
しかし、夫が事故で亡くなり、息子も病気で亡くします。
悲しみに暮れていましたが、自分よりも、もっと不幸な人たちは、沢山いると考えると、なんだか仏様に申し訳なく思い、困っている人たちに全財産を分け与えて、助けていました。
時が過ぎていき、人助けで与えた財産も無くなり、おばあさんには、家しか残っていません。
ある日、おばあさんの家に、沢山の馬を引き連れた馬商人が、馬小屋を貸してくれと尋ねてきました。
おばあさんは、気前よく納屋を貸しました。


馬商人がしばらく町へ商売に出かけている間、一頭の子馬が、納屋に残っていたので、おばあさんが面倒を見てあげました。
子馬は、すっかりおばあさんになついてしまい、おばあさんもとても嬉しそう。
そして、時がたち、子馬が立派になったころ、馬を預けていた馬商人が町から戻ってきて、馬の宿代をたくさん払いますとおばあさんに言いますが、おばあさんは、宿代はいらないので、子馬を私にくださいと言います。
馬商人が子馬を見てびっくり!ものすごい美しく立派な馬に成長していたのです!……。


さて、おばあさんと馬の運命は、一体どうなるでしょうか?
読んだあとは、「あー良かったー!」と思える絵本です♪※ネタバレだったかな…。

愛は思いやり【感想・まとめ】

この絵本の最後ページに、寂聴さんの解説があるのですが、人間の性善説を信じさせるようなお話なので、もっと語り継がれてほしいそうです。
おばあさんは、家族を失った不幸な人なのに、貧しい人々に親切にする人。
馬商人は、おばあさんに大変感謝し、宿代をたくさん渡そうとする礼儀のある人。
二人とも欲を出さずに、思いやりがあっていいですよね。
寂聴さんは、語ります。
 「現代の世間の荒廃は、人の心から愛が薄れたからだと思います。愛は思いやりです。」
―愛は思いやり―。とても心にしみる言葉です。

絵本選びの参考にしていただければ幸いです。

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