「付け足し言葉」って何?

皆さんは、「付け足し言葉」って知ってますか?
平成生まれの世代の方々には、知らない人もいるかも…。
昭和の時代に見ていた時代劇ドラマなどで、お調子者の役柄のセリフの中に、「合点承知の助!」とか使われてたりしてましたね。
あとは、ご年配の方が、縁側でのんびり囲碁を指してるシーンで、付け足し言葉を使ったセルフのやりとりなどがあったかな。
今では、ほとんど使わなくなったというか、テレビなどでも聞かなくなりましたね…。
そんな、昔ながらの言葉を、お子様にも、楽しく覚えてもらう絵本をご紹介いたします。
この絵本に「驚き桃の木山椒の木」【あらすじ】
文:齋藤 孝
絵:つちだ のぶこ
出版社:ほるぷ出版
サイズ:縦21.5㎝ 横21.5㎝
<五つ星評価>
ストーリー:★★★
絵・しかけ:★★★
教育・知育:★★★
笑い・感動:★★★
◇総合評価:★★★
声に出して、絵本を読んでみてね♪
今日も家族みんなで朝ご飯。
朝のあいさつは、
「おはよう」
「おはようごん左衛門!」(おはようごんざえもん)
朝のあいさつも元気いっぱい!
今日は、おじいちゃんが、遊んでくれるみたい♫
絵本ナビ
「にんじゃごっこしようかいな?」
「おっと合点承知乃助!」(おっとがってんしょうちのすけ)
《しゅりけん》 《めくらまし》 《かくれみの》
「こんなことできるかね?」

「お茶の子さいさい河童の屁」(おちゃのこさいさいかっぱのへ)
あはは!お兄ちゃんは、おじいちゃんとの会話を、リズムよく楽しそうに、付け足し言葉でお話しているね♪
みんなは、いくつ覚えられるかな?
<いろいろな付け足し言葉>
「おっと合点承知乃助」((おっとがってんしょうちのすけ)… 「合点承知」 心得た。事情をよく理解したときに使う。人の名前を足した言葉。
「おはようごん左衛門!」(おはようごんざえもん)… 「おはよう」 朝の挨拶に人の名前を足した言葉。
「何か用か九日十日」(なにかようかここのかとおか)… 「何か用か?」 日にちを表す<八日(ようか)>と<用か>をかけた言葉。
「お茶の子さいさい河童の屁」(おちゃのこさいさいかっぱのへ)… 「お茶の子さいさい」 物事が容易にすらすらとできることのたとえ。 「河童の屁」取るに足りないことのたとえ。へのかっぱ。
「その手は桑名の焼き蛤」(そのてはくわなのやきはまぐり)… 「その手は食わない」 相手の計略を見抜き、それには引っかからないということ。<食わない>と地名の<桑名>を引っかけて、桑名名物の焼き蛤を足した言葉。
「へいきの平左衛門」(へいきのへいざえもん)… 「平気」 物事に動じないこと。人の名前を足した言葉。
「恐れ入谷の鬼子母神」(おそれいりやのきしもじん)… 「恐れ入りました」 相手の才能や力量に太刀打ちできないと思うこと。<入りました>と鬼子母神で有名な地名の<入谷>を引っかけた言葉。
「結構毛だらけ猫灰だらけ」(けっこうけだらけねこはいだらけ)… 大変結構だという意の地口。昔の猫は、かまどの側にいたりしたので、灰が飛んできて、灰だらけになったりしてた。
「しーらんペッタンゴリラ」(しーらんぺったんごりら)… 「知らない」舌を出して「べー」を足して「知ーらんべー」の言葉にペッタンゴリラを足した言葉。
「すいませんねん亀は万年」(すいませんねんかめはまんねん)… 「鶴は千年亀は万年」のことわざを引っかけた言葉。
「嘘を築地の御門跡」(うそをつきじのごもんぜき)… 「噓をつく」 人をだます。<つく>と<築地>を引っかけ、築地に有名な御門跡があり、それを足した言葉。
「驚き桃の木山椒の木」(おどろきもものきさんしょのき)… 「おどろき」を「おどろ木」と見立てた語呂合わせで、桃の木と山椒の木も付け足した言葉。
「あたりき車力のコンコンチキ」(あたりきしゃりきのこんこんちき)…「あたりき車力よ車曳き」 語源:昔の職人が使っていた言葉。あたりまえであるということの語呂合わせ。<コンコンチキ>に特に意味はない。響きが良い語呂合わせ。
「さよなら三角また来て四角」(さよならさんかくまたきてしかく)… 「さよなら」 語源は接続詞の「さようならば」。<三角~…四角>は、ただの響きが良い語呂合わせ。
「ただいま帰ってキタキツネ」(ただいまかえってきたきつね)… 「帰ってきた」の<きた>と<キタ>を引っかけた言葉。
覚えられるかな~?
「教育」に関連する絵本として、こちらも多く読まれています。
【絵本】『えんにち奇想天外』絵本の四字熟語を覚えるのに“四苦八苦”<5歳~7歳児おすすめ絵本>
余裕のない現代社会に消された?時代とともに廃れていく言葉【感想・まとめ】
言葉というのは、その世代に合わせて、流行り言葉、流行語、若者言葉といったものに変化していきます。
「付け足し言葉」は、まだコミュニケーションに溢れていた時代だからこそ、使われて楽しい言葉だったと思います。
しかし、今の時代だと、コミュニケーションには、余計なことは言わずに、要点だけを話すよう求められ、人の名前やバンド名の名前なども、より短く表現して使うことが好まれています。
わざわざ、<言葉を付け足す=言葉を増やす>というのは、現代社会に馴染めないものなのでしょうね。
付け足し言葉だけでなく、地域の方言も同様なことが言えるのかもしれません。
古き良き時代を大事にしようという意味で、お子様に読んでいただきたい、おすすめの絵本です。
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