【絵本】『うさぎを つくろう』ほんものになったうさぎのはなし<3歳~5歳児読み聞かせ絵本>

うさぎ

作者はアメリカ合衆国に亡命して絵本作家デビュー

海外で活躍している有名な作家の絵本をご紹介したいと思います。
ご紹介する絵本の作者「レオ・レオニ」さんですが、波乱万丈な生涯にビックリです(◎_◎;)

アメリカで活躍した芸術家の一人で、1910年オランダのアムステルダム生まれ。
裕福な家庭に育ったレオ・レオニさんは、14歳でイタリアに移住し、その後スイスのチューリッヒ大学にて経済学を学びます。
1931年、21歳で結婚し、イタリアで暮らすが、政治的理由で、アメリカ合衆国に亡命し、広告代理店に就職する。
1945年にアメリカ国籍を取得し、1953年にはアスペン国際デザイン会議の初代会長を勤める。
エリック・カールの才能を見出し、ニューヨーク・タイムズ広報部への就職を世話した上、編集者を送り絵本の仕事も勧めた。
1962年、再びイタリアに戻り、以後およそ40冊の絵本を発表する。
1999年、イタリアで死去。

あの絵本の巨匠ともいえる「エリック・カール」さんとも繋がりがある方なんて…凄い!
そんな波乱万丈な人生を歩んだ方の、「影」を意識した絵本をご紹介します。

本物には「影」がある?【あらすじ】

イトル:うさぎを つくろう
作:レオ・レオニ
訳:谷川 俊太郎
出版社:好学社

ページ数、サイズ:30p、26×21㎝
絵本ナビ

<五つ星評価>
ストーリー:★★★
絵・しかけ:★★★
教育・知育:★★★
笑い・感動:★★★
◇総合評価:★★★


はさみと鉛筆がいます。
それと、白い紙ときれいな紙が色々あります。
はさみは、きれいな紙を切ってウサギを作ります。
鉛筆は、白い紙にウサギを描きます。

………。

絵本ナビ

きれいないろの かみきれから、
はさみが もういっぴき きりぬいた。
………。


きれいな紙からウサギさん作れそうだね?
絵をよく見ると、はさみには影があって、なんだか本物のハサミみたいに見えるね…。

「影」の意味【感想・まとめ】

この絵本の表紙カバー枠に、翻訳を担当している「谷川俊太郎」さんのメッセージが書かれています。

影の意味

本当に実在しているものには、影があるのだということは、私たちも実際の人生でよく経験します。
影がない人は、たとえ快活でも、どことなく薄っぺらな印象を与えますし、影の薄い人は、どうしてか幽霊のように儚げです。
光には影がつきものであり、影は人生を立体的に豊かにするということを、レオニは見事な技術で造形しきっていると思います。

谷川 俊太郎

谷川さん曰く、この絵本の副題、「ほんものになったうさぎのはなし」にはメッセージ性が感じられ、寓話(教訓などを盛り込んだ作り話)としての意味深い作品になっているそうです。

紙を貼り合わせたウサギには「影」がないけど、切ったハサミには「影」があり、立体的で本物らしく見える…。
「影」は、その物体の存在感を表現するために必要なものなんでしょうね…。

ちょっと難しい感想になっていますが、絵本自体は、シンプルで子供に馴染みやすい内容ですよ。

絵本選びの参考にしていただければ幸いです。

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